松木先生のリリカルといってもよい精神分析への愛にあふれた論文集。かつて学会などで直接聞いた事例もあって懐かしかったです。
一番気になったのは巻末に掲げられたピンク・フロイドの"Wish You Were Here" の歌詞。突然の事故で亡くなった精神分析の仲間に捧げられているようだけれどなぜか歌詞が一部改変されている。
本来の歌詞は最初が「ふたりは」、次が「きみは」。
あなたがここにいて欲しい
幾月も行く年も、水槽の中を泳ぎ続けるさまよえる魂にわたしは過ぎない
古ぼけた馴染みのところを回り続けて、何をわたしはみつけただろう。
古ぼけた馴染みの恐れだろうか
あなたがここいにてほしい
シド・バレットの死もあって、何だか心に残る。