女性と狂気/フィリス・チェスラー
フェミニズム的視点から精神医療における抑圧される性としての女性を扱っています。ビンスヴァンガーの症例エレン・ウェスト、作家のゼルダ・フィッツジェラルド、双極性障害を煩い自殺した詩人のシルヴィア・プラス、エリザベス・パッカードを事例としてあげています。
翻訳は、ギリシア関係の固有名詞に引っかかります。「プシュケー」が「サイケ」、「エロス」が「ラブ」じゃ感じが出ない・・・のはまあ原語がわかるから許すとしても、ヴァレリー・ソラナスがアンディ・ウォール(ウォーホル)を射殺したと、ウォーホルの死を早めちゃってるのは問題。しかし「男性切り刻み団」を結成し、女性至上主義、男性皆殺しを目指し、実際人を銃撃した人間の、男性中心主義による抑圧・疎外者の面だけを描くのはフェアじゃないと思います。
女性と狂気 (1984年) | |
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