ゴシック・スピリット/高原英理

 「ゴシック・ハート」の続編。先日、ブログに引用したシルヴィア・プラスの「嵐が丘」が引用されていた。いつのまにか僕もゴス度も上昇中か。 
 ゴシックの精神には無垢なものが朽ちていくことを眺める陰鬱さがあるのだろうと思うけれど、筆者がメンタルヘルスの心性とゴシックの心性に一線を引いているところはまあ、救いかな。

 前作同様ゴシックな想定だけど、巻末にゴシック・アートが掲載されている。キャシャーンもゴシック?とは思えど、片側通行の自己改造としてみればそういうことか。
 しかし、そもそもゴート族の粗野さを表す言葉が、時の流れを経て、ある種の退廃的な貴族性をまとうとは皮肉なもの。

MZNニュース(水野純子ブログ) http://mjnews.exblog.jp/

 近藤聡乃のアニメーションにのった「たま」の歌が何ともよい。女の子が合体するのはやっぱりトゥルニエのパロディ?そう思うと最後の女の子の変形もシュバルの理想郷のデコレーションに見えてくる。近藤聡乃の虫マンガ「はこにわ虫」やっぱり買いたくなった。
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm4765

ゴシックスピリット
ゴシックスピリット高原 英理

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