日時計の影/中井久夫


目次

患者に告げること患者に聞くこと―統合失調症を中心に
老年期認知症への対応と生活支援
トラウマについての断想
生活空間と精神健康
河合隼雄先生の対談集に寄せて
神田橋先生のいる風景
村瀬嘉代子さんの統合的アプローチに思う
東大分院神経科がある風景
神戸という町の隠れたデザイン―海外のゲストを念頭に置いて
最近の精神医学に思う〔ほか〕

 1918年、ブダペシュトで行われた国際精神分析学会は、第一次大戦中と言うこともあり、軍の指導的将軍が出席するという異例の事態が生じたという。精神分析において外傷に注目したフェレンツィのいたブダペシュトでトラウマ問題が注目されたというのが興味深い。

 
 河合先生や神田橋先生とのからみも読みどころ。河合先生の弟の逸雄氏と中井先生が同期で、天理市に住む中井先生の従姉妹が教師時代の河合先生に教わっていたとは世界は狭い。


 あなたが何を食べているかをいえば、あなたがどういう人であるかを言ってあげよう。 ブリア・サヴァラン


 92ページの「臨床心理学会」はご愛敬。

日時計の影
日時計の影中井 久夫

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