「遺産」になってしまったのが本当に残念。図書館の司書を辞められてこれから文筆家として脂ののってくる時期だったでしょうに・・・。
こちらは書評家狐氏の最後の書評集。二冊の本を取り上げ、一見結びつかないような二冊を結びつけるのが書評家の腕の見せ所。
結びつきといえば驚くべきは後書きにある中野翠の追悼文。明治期の「負け組」文学にシンパシーを感じる中野さんは実は曾祖母が佐幕派の家系で波瀾万丈の人生を送ったことを知り、本にまとめる。そしてある日その本を読んだ<狐>氏から手紙が届く・・・。本がたぐり寄せる偶然奇縁の妙。こんなこともあるのですね・・・。
書評家“狐”の読書遺産 (文春新書) | |
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