本の向こうに広がる別世界 「遅読のすすめ/山村修」

 書評家、「狐」氏の本名名義の読書論。同じ本を読んでいても読み手によって見えているものは全く違うこともある。北村薫の文学論を読んでいて昔そう思ったことがあった。この本を読んでてそれを思い出していたら、狐氏も「作家の北村薫はもしかすると、遅読のひとである。」って書いていてやっぱりそうかと思った。本書であげられている北村薫遅読者の根拠は、北村薫高野文子の「るきさん」でるきさんが電車の中で呼んでいるカバーは「飯田橋文鳥堂のもの」と指摘するあたり。
 

 「狐」氏が月に4,5冊しか本を読まないというのにもびっくりした。作家の杉浦明平が述べている「月1万ページ」という驚異の読書量だったという話が繰り返し出ているけど、毎日333頁の本を読めば月1万ページ、速読ってほどでもないんじゃないのと思うけど、そこらへんは個人差なんだね。読書メーターで計算してみたら今自分は月1万5000頁読んでるらしい。マンガを含むけど。

遅読のすすめ
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