学生相談研修会の小講義紹介文

 今年度は初めて小講義を担当することになったので、紹介文を書いてみた。こんなもんでいいかな?


 本小講義ではアニメーション、マンガ、インターネットなど現代青年の関心の対象をフィールドワークすることによって、その内的世界への接近を目指すことを目的としています。学生との面接の中ではさまざまなディティールが語られますが、その中から「神の宿る細部(大塚英志)」を見つけるには、それなりの訓練が必要です。学生が語ってくれる関心の対象はそんな神の宿る細部になる可能性が高いものであり、たいがいは心理テストよりも侵襲性の少ないものです。教材としてできれば私が学生の講義に使用しているアニメーションを活用できたらと思っています。講義を通じての学生との(ネットワーク)・コミュニケーションとその注意点などについてもふれたいと思います。
 若者を「バーチャルな」世界から現実の世界に引き戻そう、というのはよく語られる若者バッシングの論調です。私の実戦の始まりが家庭訪問の事例であったことの影響もあって、基本的に相手を理解するということは、その世界への扉を開けてもらうことだと考えています。"virtual" のもともとの語義が「実質的な/実際上の」ということを考えれば、私たちはネットワーキングのコミニュケーションを実質的なものとして受け入れていかねばなりません。そのような試みに少しでもお力になれればと思います。


静岡大学保健管理センター准教授(浜松キャンパス)。学生相談室専任カウンセラー。パソコン通信時代からネット環境に親しみ、ブログを始めて6年。Twitter を始めて3年。臨床心理士ということを公開して Twitter を始めたのはおそらく自分が日本で最初だと思います。