アスペルガー症候群の当事者本。類書は数あれど、ご本人によるイラストの可愛さと前向きさが良いですね。いろいろ苦労しながらも、アメリカ留学で良い先生に巡りあってほめられた体験がいまも小道さんに絵を描かせる力になっているというところにはじんときました。
英会話講師時代の下記のエピソードなんかにも小道さんの優しさが表れてます。
でも、あまり遅くなっては親御さんも心配されるので、時間を決めて、○時になったら、おウチに帰ろうね、と言うようにしていました。それでも「暗くてこわいから、帰りたくない」と言うので、私は持っているなかで、一番大きな、クマのシールを彼女の手の甲に貼りました。「○○ちゃんが、ちゃんと帰れるように、このクマが一緒にいるからね」と。こんなオマジナイみたいなことをしても意味がないかな、と思いましたが、彼女は「ウチに帰るまで、クマちゃんと一緒だ!」と元気よく帰って行きました。それから、彼女の心はみるみる安定し、レッスンにもやる気を示してくれました。約束のクマのシールを私は毎回準備していました。
でも、そのシールが問題となったのです。「小道先生だけ、そういうことをされると、他の先生にも負担になるから、やめてください」とのお達しが出たのです。「はあっ???」と思いました。たかがシールです。そんなことで負担になるなんて、どういうことだ?と思いました。
これとってもいいやりとりじゃないですか。別に小道さんが空気読めなくて間違った訳じゃないです。「たかがシール」その通り。その英会話学校の均質主義がどうかしてるのです。