先日の日本臨床心理学会の全体会でも指定討論で非常にディスカッションを盛り上げて頂いた宗教学者島薗先生の御著作。
心理療法を他の社会的な潮流から眺めるという作業はいろいろな論者が行っている。例えば過去のマルクス主義、現代であればグローバリズ批判という文脈からみればセラピーは人民の管理支配、抑圧装置として批判の対象となる。だけど、そんな視点が非常に偏った批判のための批判ということは、この本に描き出された新霊性運動という文脈に浮き上がってくるセラピーの姿をみればよくわかる。精神分析じゃないがやはり歴史認識って重要だなあ、と思わせる一冊。
精神世界のゆくえ | |
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