「精神分析家の流儀/松木邦裕」

 精神分析の本質は飽くなきこころの真実の追求というのは、松木先生も書いているところ。もうひとつ付け加えたいのはフロイトの頃から面々と継続されている他の精神療法との差別化へのこだわりですね。これほどクライアントにとってはどうでもいいことにこだわる学派も珍しい。「治ったとしても、精神分析じゃない」っていうのは殺し文句ですね。
 前半は松木先生の篤い信仰告白という感じ。後半のスーパーヴィジョンの受け方、学会のとらえ方(あんまり勉強するようなとこじゃないという割り切りは松木先生らしいですね)など参考になるでしょう。

精神分析臨床家の流儀精神分析臨床家の流儀
松木 邦裕

最後の授業――心をみる人たちへ 集中講義・精神分析 下 フロイト以後 分析実践の進展 ビオンと不在の乳房―情動的にビオンを読み解く 山上敏子の行動療法講義with東大・下山研究室

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