東京のベッドタウン滝山団地の小学校で筆者自身が体験したひとりの教師が実践するアントン・マカレンコの影響を受けたソ連型集団主義の実践。
教室を班に分割し、立候補制によって班に役割を与えるが、役割は班の数よりも一つ少なくしておく。役割を取れなかった「ボロ班」をスケープゴートにすることで、班のあいだの競争意欲はより高まる。また委員会活動のトップをすべて独占する中核学級の存在によって学年全体が活性化する。塾に通うことが「正しい」教育を歪めることになるという教員たち。
集団主義の最高の舞台として準備された修学旅行。それを嫌って欠席する女子学生。
サイコキラー教師が暗躍する荒唐無稽な「悪の経典」なんかより、実話であるだけずっと恐ろしかった。
お勧めです。
滝山コミューン一九七四 | |
原 武史 講談社 2007-05-19 売り上げランキング : 115644 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 団地の時代 (新潮選書) 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫) 昭和天皇 (岩波新書) 大正天皇 (朝日選書) 「民都」大阪対「帝都」東京 (講談社選書メチエ) |