「カッパ・ブックスの時代」/「毒を売る女」
カッパ・ブックスの時代/新海均
「頭の体操」は結構読んだし、現在大量に出版される新書のプロトタイプとしてカッパ・ブックスの果たした役割は大きいね。だけどいつのまにか、カッパ・ブックスはなくなって光文社新書に一本化されてたんだね。
講談社の弱小子会社だった光文社が頭角を現すきっかけには心理学者の関与も大きかった。南博(ぐぐったら「社会臨床学研究」に追悼記事が載っていた)「社会心理学」、フロイトの訳者、安田徳太郎「日本の歴史」、波多野勤子(教育心理学者波多野完治の妻)「少年期」など弱小出版社だった光文社の成功へのきっかけを作った書籍には心理学関係本が多かった。多湖輝「頭の体操」のベストセラーもそうした歴史の上にあったわけ。
カッパ・ブックスは労働関係の争議があって、それでやめた編集者が祥伝社を作ったりするわけだけれど、精神分析のナチス侵攻によるディアスポラみたいで面白かった。当時「女性自身」の編集者だった種村季弘も団交かなんかで執行部追求の発言をして喝采を受けたなんて記述もあって面白い。
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毒を売る女/島田荘司
コミカライズ「ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(1) 」(島田荘司の解説も読みどころ)に「糸ノコとジグザグ」が取り上げられていたんだけれど、読んだ覚えがなくて、御手洗潔シリーズは全部読んでいるはず・・・と思ってさっそく検索して借りてみました。なるほど読んだ覚えがないのもそのはず、人物造形は御手洗潔だけれど名前が明記されてなかった。多分、講談社は御手洗潔、光文社は吉敷刑事と使い分けられてたんだね。
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