シニフィアンの鎖
★シニフィアンの鎖 [la chaine signifiant]
シニフィアン・・・ソシュールの紙の比喩に対して、表裏のないメビウスの輪にたとえる。
排除 Verwerfung
「1次肯定」=属性判断=主体内への取り入れ=原象徴化=存在の領域に入っていくこと
「象徴界の明るみに達しないものは現実界に現れてくる」(エクリ)
「患者の内界に抑圧された感覚が外界に投影されるということは正しくない。内界で廃棄されたものが、外界から回帰してくるのである」(シュレーバー症例)
主体の審級
1)現実界
カオス。言語によって記述し得ない外界。
人間にとっての現実は原象徴化を経た、象徴的現実。
ラカンにとっては現実性と、「現実界」は対立する。
2)イメージ界(鏡像界)
動物の世界。一義性の世界。象徴界の下位領域としての象徴界の特殊な一部。
イメージ界の審級では主体は疎外され、自我は一人の他者として構成される。
不在を表現できない。
鏡像段階・・・意識、自我の構成に決定的な役割を果たす。自己=他者という等式の元に、バラバラな身体像という根源的な苦悩から抜け出せるが、同時に自己の存在が疎外され、自己が失われる危険性がある。
3)象徴界
人間にとっての現実。多義的なシンボルの世界。
ヘーゲルの影響
「精神現象学」・・・自己意識の章での主と奴の弁証的展開。
自分を他者としてみるとともに、他者の中に自分自身をみる。