「こころのマトリックス 〜対象関係論との対話〜」 Ogden,T.H. /岩崎学術出版
自我心理学全盛期のアメリカにカーンバーグによってイギリスの対象関係理論が紹介されたのを第1世代の対象関係理論の紹介だとすれば、本書は第2世代の対象関係理論紹介の書。クラインとウィニコット理論の読み直しが核となっている。
カーンバーグがクラインの対象関係論のアイディアを評価はするものの、その技法的、理論的問題点を指摘して、あくまでジェイコブソン、マーラーへと続く自我心理学ににとりいれられた対象関論の元祖としての歴史的な意味を強調したのに対して、あくまでオグデンは妄想−分裂ポジション、抑鬱ポジションの現代的な意味、「クライニアン以外に対する臨床的有用性」を追求している。
こころのマトリックス―対象関係論との対話 | |
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