安先生への追悼文を読んで、数日前から自分が安先生が達することのできなかった年齢に達していることに気づいた。自分が30になって、ジミ・ヘンドリックスやジム・モリソンやジャニス・ジョプリンより年上になってしまったときの違和感を少し思い出す。彼(女)たちの濃密な人生に自分はこれからの人生でいくらもがいても到達しないであろうことへの一抹の淋しさと、それでも残されたものが、限られた力量の中で引き受けていかなければいけないものの重みを感じる。
「もっとも、私が精神科に転じた理由の底の底にあるのは、人間恋しさとでもいうものかと思う。ウイルスでは私には遠すぎて感情移入の対象にならなかったのである。」
時のしずく | |
中井 久夫 みすず書房 2005-04-21 売り上げランキング : 5,525 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 関係としての自己 発想の航跡〈2〉 戦争ストレスと神経症 徴候・記憶・外傷 アリアドネからの糸 |