エクスナー式の「発達水準」という誤訳

 もう十数年前にロールシャッハの勉強会でエクスナーのスコアリングを勉強していました。エクスナーの前はピィオトロフスキー式のワークブックとかもやりました。マイナー指向というか何というか。そいでいて自分がスコアリングするときは結局片口式だったんですけど。当時は確かまだ日本語の翻訳がでてなくて、英文輪読していました。それ以来、エクスナー式のスコアリングなんてめんどくさくてほとんどしていませんでした。
 最近またちょっとエクスナー式にふれる機会があって思ったのですが、なんで developmental quality を「発達水準」と訳すのでしょうか。どう考えても誤訳です。テキストを読む人は「何で発達?」と思うに違いありません。
 写真のD.P.E 現像、焼き付け、ひきのばしの「現像 development」 ですよね。つまり図版という外的な知覚刺激がいかに内的知覚に「現像」されるかの品質のことをいっているのだから、「現像品質」あるいは「現像の質」と訳すべきだと思います。quality を「水準」と訳すのもいまいちですね。同様に form quality も「形態品質」あるいは「形態の質」が良いと思います。