〈変態〉の時代/菅野聡美

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 えー、どういう本かと思われるかもしれませんが、「変態」を題材とした学術的な本です。G-tools で検索したら「変態少女時代」とういう怪しげな雑誌に挟まれていました。「変態」は明治期に使われ始めたときは「異常」と同義に使われていました。ゆえに「変態心理学」=今で言う「異常心理学」ですね。
 それが、エロ・グロ・ナンセンスの影響を受けて、「変態性欲」=「変態」という等式が成り立って、今に至るようです。
 中村古峡南方熊楠宮武外骨江戸川乱歩式場隆三郎などのからみが面白かったです。
 やっぱりこのタイトルでは誤解されそうなので「<変態>の明治・大正・昭和」などタイトルを工夫するか、副題をいれたほうがよかったのではないかと思います。
 蛇足ですが、どうせ<変態>の語義の変遷を取り上げるならば、今、おそらく世界で最も用例が多く、日本以外の国で使われている hentai の語義を取り上げるべきだったでしょう。

〈変態〉の時代 講談社現代新書
〈変態〉の時代 講談社現代新書菅野 聡美

講談社 2005-11
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