事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法/長谷川啓三・若島孔文 編


内容(「BOOK」データベースより)
「折衷」を超えて、問題の立体的な把握や終結時間の短縮に具体的成果を上げている、実践的アプローチ法を詳しく紹介。

内容(「MARC」データベースより)
家族療法の黎明期である1960年代から今日までの、心理療法の理論的な見通しと実際の介入事例を収集。「折衷」を超えて、問題の立体的な把握や終結時間の短縮に具体的成果を上げている実践的アプローチ法を詳しく紹介する。
目次
1章 家族療法から短期療法、そして物語療法へ―家族療法の歴史と展開
2章 パニック障害
3章 抑うつ
4章 摂食障害
5章 複雑で難解な事例
6章 児童虐待
7章 不登校
8章 非行問題
9章 スクールカウンセリング

 短期療法の事例というと何でもうまくいくといくという印象が抜けないのですが、若島先生が自殺に至った事例について書いていて、その率直さに感銘を受けました。
 あとがきでも若島先生はコラボレイティブ・アプローチのハーレン・アンダーソンを「セラピストのイデオロギー先行」と批判していて共感しました。
 しかし、その後で

 また、レーザーメスがある現在において、慣れているからという理由で、あるいは好みであるからという理由で、のこぎりで手術をすることも倫理観に欠けます。残念ながら臨床心理の世界ではこうした横暴がまかり通っているのです。
 と書いてあって、ややがっかり。何をさして「のこぎり」といっているかは不明ですが、短期療法家が最新の知識を備えた専門家(つまり knowing approach)となってしまいました。やれやれ、やっぱり他学派というものはリフレームしにくいものなのでしょうか・・・


 それから「コンプリメントする」って表現を見ると、ぞっとするのは私だけでしょうか。向こうの家族療法家がテクニカル・タームとして使ってる訳じゃないんだろうと思うのですが。「ねぎらう」でよいのでは・・・

事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法
事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法佐藤 宏平 三沢 文紀 生田 倫子

金子書房 2002-04
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