前衆議院議員で精神科医の水島先生による対人関係療法(IPT)の入門書。サリヴァンなど精神分析の対人関係学派の影響も受けながら、現実的短期療法的なアプローチでうつ病などの治療に用いられるようです。一般の方向けにわかりやすく、よみやすく書かれています。
ただ、ひっかったのは事例の名前の付け方。内気な人がウチキさん、まじめな人がマジメさん、くらいは良いのですが、過食するのがカショクさん、左遷されたのがサセンさん、覚醒剤依存の人がカクさんっていうのはどうかなと思い、恋人の死に向き合えない人がニゲヨさん、流産の後の喪失感に苦しむのがリュウさんっていうのはあんまりだと思いました。ネガティブな部分を総称として使うって悪口の感覚と同じですよね。同じ理由で自称以外の精神病者、統合失調症者などという表現も好きじゃありません。