作家中上健次の伝記、というにはやや抵抗がある。芥川賞を受賞し作家として活動した時期に当てられているのはわずか一章で、被差別部落に生まれた私生児という自らの出生、血縁関係を身を削ることで文学という形にしていった半生と、癌に冒されてからの死にざまに焦点が当てられている。タイトルは未完に終わった作品のタイトルから。
後書きに掲載されている死の二年前に娘に宛てた手紙が泣けるな。
エレクトラ―中上健次の生涯 | |
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