エクスタシーに達しきれない一冊

絶頂美術館/西岡文彦

 この本に関しては白水さんがフォーラム(裕's Objet Relational World - フォーラム)で適切なレビューを書いてくださっていますが、ぼくもようやく読みました。県内の他の市立図書館にしかないので、発売から6ヶ月経過しないと借りられないのです。絶頂美術館というタイトルはほんとに魅力的なのですが、残念ながら性愛関連の絵の紹介みたいな感じになってしまっていまひとつ「絶頂=エクスタシー」というものに迫りきれていないという印象です。
 はっきりいうと白水さんのカラバッジオ論の方がずっと面白いと思いました・・・。

絶頂美術館
絶頂美術館西岡 文彦

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 エクスタシーで思い出す症例はジャネの症例マドレーヌ。どうせなら宗教的法悦とかシモーヌベーユとかそういう世界まで突っ込んでほしいです。

症例マドレーヌ―苦悶から恍惚へ
症例マドレーヌ―苦悶から恍惚へ松本 雅彦

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