津田梅子ら女子留学生のパイオニアたち 『明治の女子留学生―最初に海を渡った五人の少女/寺沢龍』
ちょうど今年の日本学生相談学会が津田塾大学で行われ、新型インフルエンザ騒ぎの中、開催自体が危ぶまれる中閑静なキャンパスを訪れてきたばかりでした。開催に当たってはスタッフの方の様々な尽力がありほんとうに頭が下がる思いでしたが、津田塾大学の成立にあたって創設者の津田梅子の生涯をかけたなみなみならない奮闘があったことを知りました。
明治四年、五人の少女が十年という長期間のアメリカ留学に旅立ちました。その中には当時わずか6歳の津田梅子の姿もあったのです。十年の留学の間に日本語も忘れ、帰国してからも再適応にかなりの時間がかかり、その中でいくつかの求婚も退けながら、日本での女子教育に生涯を捧げた梅子の姿には心を揺さぶられるものがありました。
途中帰国した上田悌子は翻訳家上田敏のおば、山川捨松は徳富蘆花の『不如帰』に登場する「鬼の義母」のモデルにされて苦しい思いをしたということも初めて知りました。
明治の女子留学生―最初に海を渡った五人の少女 (平凡社新書) | |
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