理論と批評『王朝の性と身体―逸脱する物語/小嶋菜恩子 編』
フェミニズム批評って理論にあうような素材探しの感じがやだな。例えばタイトルの「逸脱する物語」というのは『枕草子』のことなんだけど、清少納言が中宮定子の言葉に漢籍の知識を使って機知を働かせて答えるのは、男性の文化である漢籍を使って、身分差のある定子と清少納言がホモソーシャルにつながるのが逸脱なんだそうだ。何か最近の古典文学批評ってポストモダン化してるんだね。
ラカン理論から見た源氏物語なんてのもあったけど「対象a としての女一宮」とかそういう感じ。
まあ中では藤原頼長と鳥羽院を巡るホモソーシャルなネットワークの話あたりが一番面白かった。
王朝の性と身体―逸脱する物語 (叢書・文化学の越境) | |
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