子どもへのロボトミー「ぼくの脳を返して~ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語/ハワード・ダリー」

 生涯3500人もの患者にロボトミー手術を行った医師ウォルター・フリーマンの伝記を読んだときに、彼が子どもに対してもロボトミー手術を行っていたという事実を知った。
 これは12歳の時にフリーマンからロボトミー手術を受けた男性の自伝。著者はたんにロボトミー手術の被害者であるだけでなく、義母から厄介者扱いされて病院をたらい回しにされ、あげくに父親にも手術を了承されるという悲惨な家族体験を生き延びたサヴァイバーでもある。
 もちろん共著のジャーナリストの手も入っているのだろうが、自らの犯罪歴、麻薬、アルコール依存の日々を語る著者の語り口はこれがロボトミーを受けた人なのかという疑念さえ抱かせる。最後の方に著者がMRIで脳の状況を調べたことが書かれていたが、皮肉なことに早期のロボトミーであったゆえに脳がまだ発達段階であってそれが彼の能力の保持につながったらしい。
 彼がこの著作を書くきっかけになったラジオ番組のアドレス。


http://www.soundportraits.org/on-air/my_lobotomy/

ぼくの脳を返して~ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語~
ぼくの脳を返して~ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語~解説 苫米地 英人

WAVE出版 2009-11-21
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