そんなに似てるかな 「ユングとサールズ/ディヴィィッド・セジウィック」
ユングと精神分析家のサールズの共通点を探った著作。サールズっていうと統合失調症患者への精神分析、逆転移についての考察で有名だけど、ユングとの関連といってもあんまりピンと来ませんでした。サールズの著作をユング的に拡充法的に考察している感じ?錬金術と結びつけられてもサールズも困るだろうな・・・。巻末の老松先生の解説を読んでから本文を読んだ方がわかりやすいかもしれない。
個人的にはサールズよりフェアベアンの夢理論とかのほうがユングと結びつけやすいと思うけど。
なんという贅沢な環境・・・。インテンシブな個人療法をやるんだったら、集団療法と組み合わせてやった方がずっと患者さんのためにもなるのに、と思ってしまいます。
伝えられるところによれば、1951年から1965年までの14年間に、サールズは全部で18人の精神病患者しか分析しなかった(Knight 1965)。彼の病院における通常の受け持ち割り当ては、クライエント6人だった(Searls 1980)。
後書きを読んだら、訳者の方が指導教員だった故・織田尚生先生から翻訳を依頼されたとあって、学生の訳にしてはいやにうまいなと思っていたら、翻訳者の方が学生になってたんだね。なるほど。
固有名詞でいくつか引っかかったくらいです。「ジーン・ジェンドリン」、「ホワイテーカー」、後者は有名な家族療法家で「ウィタカー」と表記されることが多いけど、辞書を引いたら「ホイッティカー」表記が多いね。「ウィタカー」は「英辞郎」くらいでした。
ユングとサールズ | |
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