ナラティヴ・セラピーの「定義的祝祭」は誤訳?
ナラティヴ・セラピーの「定義的祝祭」(セラピー場面にボランティアのアウトサイダーウィットネス<元クライアント、セラピストなど>にはいってもらい、クライアントのナラティブの証人になってもらう技法)っていう言葉が何となく意味不明だったので原語を調べてみたら"definitional ceremonies" セレモニーと祝祭は違うでしょう。どうしてこんな訳になったんだろう。
「定義された儀式」くらいがいいんじゃないか。
この「定義された儀式」、「アウトサイダーウィットネス」という言葉を最初に使ったのは人類学者のバーバラ・マイヤーホフ(『ナラティヴ実践地図』では「マイアホッフ」と表記されている)。カルロス・カスカネダのUCLAでの同級生で、カスカネダの記載したシャーマンに関する情報は、マイヤーホフらの論文を参考にしたものとされる。しかし、マイヤーホフがフィールドワークにしたのはシャーマンとは呼べないような人物だった。
詳しくは下記のサイトを参照のこと。
六月のマグノリア
「共鳴」という言葉をホワイトが借りているのはガストン・バシュラールだそうだが、ぼくの関心であるナラティヴ・セラピーとサリヴァンの接点という点では、グループ・セラピーのフークスと同じ用語を使っているところが面白いところだ。
第三の焦点は、個人的な共鳴 personal resonance である。(p.162)
見返していて気づいた。上記の「ノート」の原語は"notes"。イメージ検索 http://images.google.co.jp/images?hl=ja&q=notes&gbv=2 してみたらわかるけど、この言葉からネイティブがイメージするのは「音符」か「メモ書き」。日本人は「ノートブック」をまずイメージしちゃうからミスリーディング。
そのような認証は、ノート、手紙、録音テープ、ないしビデオテープの形で、定義的祝祭の中心に人生を置かれた人に送られたり、(p.170)
ナラティヴ実践地図 | |
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