先日とりあげた保坂さんの『思春期を問い直す』、岡村さん共著の『カウンセリングのエチュード』、そして林さんのこの本と、東大の先輩の本がたくさん出てますね。
林さんとも母子平行面接でいっしょにケースを担当したりしていました。当時の東大にはクライアント中心療法の風土しかなくて、精神分析に興味を持つような人は外に出ていって勝手に自分でするというイメージです。
林さんもクライアント中心療法に物足りなさを感じて精神分析を学ばれたということで、そこらへんはぼくとも共通なところがあります。ただ精神分析的精神療法をやるようになられてからの林さんの臨床は直接伺ったことがないので、なにかイメージがうまく統合されていません。
当時の林さんはエンカウンターグループの研究をやられていましたが、なぜかぼくの方が集団療法の本を書くようになったり人生は結構わかりません。発達をやられていた脇谷さんは、タビィストックで学ばれて児童分析家になってるし・・・。
昔話になりましたが、本書はボウルビーのアタッチメントの概念を思春期に拡張し、臨床現場にも活用しようという野心的な試みです。前半が概念的な整理、後半が臨床における応用という感じですが、個人的には後半の部分をもうすこし詳しく知りたいという感じでした。
思春期とアタッチメント | |
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