「臨床心理学―全体的存在として人間を理解する (いちばんはじめに読む心理学の本)/伊藤良子 編著」

 臨床心理学の入門書、よくある表の多い網羅的・非個性的なテキストじゃなくて「読むこと」を主眼にした編集には共感しました。

 
 田中先生がカフカの『掟の門』を臨床道はまだまだ深いぞ、みたいなコンテクストで使っているのは笑っちゃった。そんなに特権化しなくてもいいのに。ユング先生の『心理療法学びたきゃ、まず博士号を取ってからきなさい』ってのもあんまり感心しないな・・・。


 『こころの専門家』なんて名称は個人的には嫌だな。専門家と名乗ることでそうでない人と階層をつくっていく構造がね。

臨床心理学―全体的存在として人間を理解する (いちばんはじめに読む心理学の本)
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