てんかんの兄をもつマンガ作家の苦悩とヨーロッパの代替医療・オカルティズム 「大発作/ダビッド・べー」
図書館で予約を入れたときはてんかんの心理教育絵本だと思っていました。ところが借りてみたらBDと呼ばれるフランス式マンガでてんかんの兄をもつ筆者の自伝的マンガ。
もちろん著者の精神障害者をきょうだいにもつ苦悩がテーマなのですが、兄も著者も小さい頃からヒトラーや戦争の虐殺場面にあこがれるちょっと危ないこどもたち(あのユングの幼少期を連想させます)で、伝統的な精神科医療に拒否的な両親が兄に受けさせた代替療法の数々がまた凄い。
マクロビオティック(しかもかなりカルト的なものでリーダーはその後自殺したり、逮捕されたり)、ホメオパシー、磁気催眠、シュタイナー教育、鍼、整体、錬金術、ブードゥー教とほんとこれでもかというくらい繰り返されます。お母さんはグノーシス主義、カタリ派にも興味があるし。なんだか20世紀末のヨーロッパのオカルティズム・スピリチュアリズムの傾向まで伺わせてくれます。
大発作 | |
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