「乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか/紀田順一郎」

 最近の若者は学校の図書館で「少年探偵団」シリーズを読まずに育っているっていうのを何かで読んだな。
 そうはいっても現在でも読み継がれる乱歩の作家としての軌跡を追ったエッセイ。
 クリスティの本邦初訳がポアロが言語連想テストをするものだとか、乱歩が大槻憲二の東京精神分析研究会に入会して学会誌「精神分析」に「J.A.シモンズのひそかなる情熱」を執筆するとか、そういうあたりがおもしろかったです。ちなみにサイモンズのひそかなる情熱とは同性愛傾向のこと。

乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか
乱歩彷徨―なぜ読み継がれるのか紀田 順一郎

春風社 2011-11-11
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