「血と薔薇」、「アンアン」というおよそ対極的な内容のデザインを担当した堀内誠一がアンアンに連載した旅行記を死後に出版したもの。しかし、こういう旅行記を見ると、彼にとって雑誌のコンテンツなんていうものは、まあデザインの素材にしか過ぎなかったんだろうな、って思う。久世光彦なんかとも共通して感じる、アンダーグラウンドがそのままメジャー文化を支えることになった時代の幸せ。
東ドイツやソ連の旅行記をみて、ああ、彼は東西対立の時代までしか生きなかったのだなということをあらためて実感する。
堀内誠一の空とぶ絨緞 (アンアンの本) 堀内 誠一 by G-Tools |