「狂人の太鼓/リンド・ウォード」

 図書館でなぜかアート関係の本が見たくなって適当に借りた中に含まれていた一冊。アメリカの版画家リンド・ウォードの版画のみで文字のないノベル「狂人の太鼓」です。文字情報が全然なくて人物のかき分けが今ひとつなので、どういう筋かはよくわかりません。が、とにかくタイトル通り陰鬱な話というのはよくわかります。途中で何だかどこかで見たことある絵が一枚合って、なんだっけと考えていましたが、終わりの方の墓の前に佇む男の絵を見て思い出しました。これTATの図版ですね!投影法心理検査TATの開発者はヘンリー・マレーとクリスチアーナ・モルガンでふたりは愛人どうし、ユングに憧れて塔を建てたり、男女役割入れ替えてセックスしたり、愛人関係に悩んだマレーがユングに相談して愛人関係継続するように勧められたという話はもう何回もここで書いてます。絵を描いているのはこのクリスチアーナ・モルガンだと思っていましたが、調べて見たらモルガンが描いたのは5枚だけでした。よく考えたらタッチが全然違いますね。「死の島」で有名なベックリン、Hisao E. Kimura (日本人?)の絵も入ってました。

狂人の太鼓
狂人の太鼓リンド ウォード Lynd Ward

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