「陰謀論の罠 The Trap of Conspiracy Theories/奥菜秀次」

 9.11のテロがアメリカの自作自演だというお馬鹿な陰謀論の反証が前半。陰謀論者の議論自体がまったくトンデモの世界なので前半の検証はやや退屈。このとき日本でもアメリカの陰謀論主張していたジャーナリストが今なにしているかググってみたらやっぱり脱原発運動で、まじめに脱原発運動やっている人々も大変でしょうねとちょっと同情。後半はアメリ陰謀論という流れからチャーチルがコベントリーへのドイツ軍の攻撃を知っていながら見殺しにしたという話は本当なのか、ベトナム戦争におけるトンキン号事件の真実は、という話で、こちらの方が、組織における情報伝達の問題として、今まさに起こっている東電の情報提供の話なんかとも関連してきて面白かったです。
 しかし、そこで浮き彫りにされているのは突出した情報収集能力を持ちながら内部のいがみ合いやら縄張り争いらで得た情報を有効活用できないアメリカの杜撰さですね。
 著者はよっぽど英語が好きみたいで、英語の併記をしまくっているんだけど、別に真実 the truth なんて併記は必要ないんじゃないかと思うんだけど、これも何かの陰謀なのかしら・・・。

陰謀論の罠 The Trap of Conspiracy Theories (光文社ペーパーバックス)
陰謀論の罠   The Trap of Conspiracy Theories (光文社ペーパーバックス)奥菜 秀次

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