「踊り候え」

踊り候え/鴨居玲

 北山修先生が好きな作家としてあげていた。姉の下着デザイナー鴨居羊子は知っていたけれど、この弟の画家のことはよく知らなかったので、とりあえず近くの図書館で借りられるものを借りてみた。鴨居玲とは本名にしては格好良すぎる。長女が羊子で男に「レイ」、娘に「ヒツジコ」って名付ける親はどんな親なんだろうと思ったが、鴨居羊子の本名は普通の「洋子」、戦死した兄も「明」という平凡な名前だった。洋子を羊子とさんずいをとって名乗るセンスは、長崎生まれでもないのに長崎出身を名乗ったり、彼が住んでいたスペインの「村」に伝記作家が尋ねたら結構大きな町でびっくりしたという弟玲にも共通しているようだ。本当は画集の方を先に見るべきだった。自殺未遂を繰り返し、57歳で死んだダンディと虚飾がないまぜになった画家の文章を集めた一冊。

踊り候え
踊り候え鴨居 玲

風来舎 1989-12
売り上げランキング : 166438

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
一期は夢よ 鴨居玲
以下、無用のことながら (文春文庫)

10月31日のつぶやき

Powered by twtr2src