モリル法


ところで、前年1862年に、一つ注目すべき法令がリンカーンの署名によって成立していた。提案者の名を取ってモリル(Morrill)法と名づけられたこの法令によれば、各州は連邦政府から交付される国有地を売って、大学の創設と維持のための基金とすることができる。当時、英米の大学の多くは、一般教育を重視する教養主義の大学であったが、モリル法は農業と機械工業に関係する学問分野を教授する大学の創設を要求した。ただしこの大学では、通常の一般教育をも行うこと、および軍事教練(military drill)を必ず実施することが義務づけられていた。