「愚かさ」の精神分析/ハフシ・メッド


グループの理性、感情性、矛盾への一つの理論的、臨床的診断。


目次
第1章 愚かさのアリーナとしてのD‐グループ
第2章 「基底的想定グループ」と「作動グループ」―愚かさと理性
第3章 「基底的想定グループ」と「作動グループ」の再考―「退行」から「思考」への転換
第4章 愚かさのコンテイナーとしての「特殊作動グループ」
第5章 グループの愚かさの維持機能としてのグループ心性
第6章 グループの愚かさとの衝突とグループ文化の誕生
第7章 「変則形態」―変化からの逃亡
第8章 「プロトメンタルシステム」からのグループの嘆き
第9章 コンテインすること、α機能とその帰結
第10章 グループにおける「連結への攻撃」

 集団精神療法学会の仲間の奈良女子大学のハフシさんが書いたビオン理論によるグループ分析。正確に言うと、アンジュー・ディディエの提唱するDグループを大学の講義に応用している。

  • 特殊作働グループ 基底想定が完全になくなったり、グループ全体のワークグループ機能を阻害するほど広がらないように、基底想定グループを管理する。
  • プロトメンタル・システム ワーク・グループと一定の基底想定グループの厳格な相互作用(共謀関係)によって活動しなくなった基底想定グループの監禁場所であり、グループにおいて個人に体験される苦痛や心身症の母胎であるといえる。

「愚かさ」の精神分析―ビオン的観点からグループの無意識を見つめて
ハフシ・メッド

カニシヤ出版 2004-12
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