暴力・虐待・ハラスメント/藤本修 編著

p.19 Rollo May のことがロロと表記されていて、親しみやすさ倍増・・・というわけじゃないですよね。多分。

 まあメイと表記しても「となりのトトロ」のメイちゃんを連想してラブリーなことに代わりはないのですが。僕は著作を読んだことはないのですが、ホワイト研究所で精神分析を学びサリヴァンやフロムと交流があった人みたいです。
http://www.ship.edu/~cgboeree/may.html

p.41 精神障害者の暴力に関する誤解


両者(引用者注=精神障害者及び精神障害の疑いのある者)の一般刑法犯検挙人員に占める比率は0.68%であった。(中略)これらの数字からわかるように、精神障害者のうち暴力的犯罪に至るものは、健常者におけるその割合よりもむしろ少なく、暴力的犯罪を行うものの大部分は精神障害をもたない者で占められている。
 殺人、放火などの重大犯罪における精神障害者の占める割合の高さを示さずに、こうした結論を導き出すのはアンフェアだろう。だからといって、精神障害者の方も何ら恥じる必要はないし、精神障害者の人々というだけで危険視する必要もないと思う。連続殺人者の多くが白人男性だからといって、白人男性が恥じる必要がないのと同じじゃないか。そんなものを一緒くたにしてラベリングするほうがどうかしている。
 昔は精神障害者擁護の立場にある人は、刑法犯全体の中の精神障害者の割合の低さを訴えていたが、最近は上記の事実をふまえて、精神障害者の殺人はほとんどは対象が家族で拡大自殺だという論を立てる人がいるが、それは疑問。だいたい殺人の多くは家族を対象にしているのではないか?家族を殺すのが拡大自殺なら、無理心中は肯定されるのか?と思ってしまう。

暴力・虐待・ハラスメント―人はなぜ暴力をふるうのか
4888489661荒賀 文子 東 牧子 角 典哲

カニシヤ出版 2005-07
売り上げランキング : 77,292

Amazonで詳しく見る
by G-Tools