講演をベースにしているので、話はわかりやすいですね。比較神話学みたいになっているので、日本神話への焦点付けがいまひとつ薄いのが残念。
イザナギのイザナミからの「魔術的逃走」はイザナギがイザナミを殺したから、という説は面白いけれど、そしたらイザナギはなぜ黄泉の国にいかなければならなかったのかそこらへんの考察がほしい。自らの醜い姿をみられることによってイザナミが怒るというのは、「意識的理由付け」で自説は原型的理由付けだというだけじゃあ納得がいかないな。
確かイザナミは産褥で死んでしまうわけだから、イザナギが罪悪感にとらわれることはあるだろう。そうするとこの話は四谷怪談型の話って言うことになる。何だかそれより死穢を直視してしまうタブーの話と見た方がやっぱりピンとくるんだけど。まあどっちが原型的な見方かなんていうことは僕にはわかりかねますが・・・
p.126 「ペルソナは原型である」などというとんでもない誤解
そうなんですか。この部分の記載だけでは詳細はわかりませんが、どういう論点なのかな。
ここに書いてありましたね。後で読んでみましょう。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/rindou/jung5-5.html
ユングでわかる日本神話 | |
林 道義 文藝春秋 2005-09-20 売り上げランキング : 72,882 Amazonで詳しく見るby G-Tools |