ロールシャッハとエクスナー/包括システムによる日本ロールシャッハ学会 編

 先日亡くなったエクスナーが来日した際のワークショップと特別講演をまとめたもの。第Ⅰ部はロールシャッハの生涯を振り返り、ロールシャッハ自身がテストを行った事例にエクスナーがコメントを加えたもの。
 第Ⅱ部はエクスナーをスーパーヴァイザーとしたロールシャッハ・テストの事例研究なんだけれど、恐ろしいことに文責が記載されていない、つまり誰が書いた文章か判らない・・・何でこんな事になってしまったのかなぁ。クライアントの同意がとれなかったので苦肉の策なのかしらなどと考えてしまいました。第1章の留年大学生に対する結論は、難しそうなケースなので面接料金を高くした方がいいというのと、彼自身仕事に取り組むことを示すために朝6時半に面接を設定せよというもの・・・これってアメリカン・ジョーク?でも何だかエクスナー先生、本気っぽいです。第Ⅲ部はロールシャッハ・テストによる治療計画の例。前記の留年学生への治療計画として、サッカーをやらせるとかスキューバダイビングをやらせるなどのアドバイスがあります。うん、6時半面接よりはずっと良いですね。

ロールシャッハとエクスナー―ロールシャッハ・テストの起源と発展
ロールシャッハとエクスナー―ロールシャッハ・テストの起源と発展包括システムによる日本ロールシャッハ学会

金剛出版 2005-05
売り上げランキング : 110,278

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

関連商品
ロールシャッハ解釈の諸原則
子どものロールシャッハ法
軽度発達障害の心理アセスメント―WISC‐3の上手な利用と事例
バウムの心理臨床
WISC‐3アセスメント事例集―理論と実際