解決志向の言語学 言葉はもともと魔法だった/スティーヴ・ド・シェイザー


内容(「BOOK」データベースより)
現代心理療法界における優れた思索者であり臨床家でもあるド・シェイザーの、その理論と実践が明らかにされる。心理療法において来談者(クライアント)が告げる「言葉」の深層は探る必要がないとする立場(反・ラカン/ソシュール)から、クライアントが語る「問題」とセラピストが引き出す「解決」の物語りの関係を通して新たな言語学を構想する。ユーモアを交えながら、本書の大半に及んで「解決」への具体的かつ詳細なセラピー(会話)を展開、「言葉」のもっている呪術的な力が明らかにされ、われわれを最先端の心理療法の術へと導いてくれる。

内容(「MARC」データベースより)
心理療法においてクライアントが告げる「言葉」の深層は探る必要がないとする立場から、クライアントが語る「問題」とセラピストが引き出す「解決」の物語りの関係を通して新たな言語学を構想する。

目次
「ことばのやり取りに他ならない」
ことばと構造、構造とことば
ラカンの穴と全体
問題の表層への到達
ベイトソンの「認識論」―ブラックホールか?
フロイトのあやまち―ことばは魔力を失わず
プロブレム・トークとソリューション・トーク
表層の「問題」にたどり着く
クライアントが話す内容をそのまま受け取ること
「何か良いことはありましたか?」―初回面接以降
成功の物語を構成することコンサルテーション面接
かろうじて5になるということ
表層―そこに解決を求める
ちょっと待って、それが奇跡なんだ
エピローグ

 昨年亡くなったソリューション・フォーカスト・アプローチの提唱者であるスティーヴ・ド・シェイザーの著作。奥さんのインスー・キム・バーグは根っからの臨床家という印象だけど、スティーヴの方は理論家の側面もあって、この本ではラカンまで引いているので意外な感じ。
 精神分析批判の立場から精神分析的家族療法のネイサン・アッカーマンとジョンウィークランドの逐語録の対比を行っている。
 スティーヴ自身と妻であるインスー・キム・バーグのセラピーの逐語録がたくさん収録されている。

  • p.32 ジャック・アラン・ミラー → ジャック・アラン・ミレール ラカンの女婿
  • p.37 フリトフ・カプラ → フリッチョフ・カプラ
  • p.38 シフネオ → シフニオス 精神分析的短期療法で有名
  • p.80 マンガのセリフの訳が全体におかしい 結婚カウンセラー カ「問題が何かよくわかりました。おふたりとも整形手術をお薦めします。性格も悪いですね。別人のふりでもするしかないですね」夫婦「もっとコミュニケーションを取った方がいいんでしょうか?」カ「やめてください。問題が増えるだけです」
  • p.105 第4級の婦女暴行罪を言い渡されたんです。 → 第4級の性犯罪 婦女暴行は rape 。言い渡されたのは10歳の男の子なので、性器にふれるなどの sex offense と思われる。
  • p.143 ザッツ → サース

解決志向の言語学―言葉はもともと魔法だった
解決志向の言語学―言葉はもともと魔法だったティーヴ ド・シェイザー Steve De Shazer 長谷川 啓三

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