タイトル通り精神分析の発達理論が、フロイト、アブラハム、アナ・フロイトなどの古典から、ハルトマン、マーラーなどの自我心理学的発達論、ボールビー、スピッツなどのイギリスの愛着理論、クライン、ウィニコットなどの対象関係論、コフートの自己心理学、スターンの乳幼児観察まで幅広く記載されています。テキスト的なので面白味には欠けますが、それでも「男根期」には「幼児性器期」という政治的に正しい名前があるとか、フロイトの自我/超自我/エスという三部構造の呪縛が強すぎて、ハインツ・ハルトマンが無造作に「自己」という概念を持ちだしたのに、イーディス・ジェイコブソンが衝撃を受け、それが「自己と対象世界」へとつながっていくなどの興味深い記載に出会いました。
目次
日本語版への序/まえがき/謝辞 序論
第1部発達的観点
第1章 精神分析における発達的観点の歴史
第2章発達過程の理論
第2部精神・性的観点
第3章精神・性的観点:理論的概観
第4章精神・性的発達の諸段階
第3部対象関係
第5章対象関係に関する諸理論の展望
第6章対象関係の発達 第7章自己感の発達
第4部情動
第8章情動理論に関する精神分析的展望
第9章情動の発達的進化
参考文献/訳者あとがき/人名索引/事項索引
精神分析的発達論の統合 (1) | |
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