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内容(「BOOK」データベースより)
心理療法アプローチは劇的に増え、さまざまなモデルや方法論がセラピーの本質とそのプロセスを語るために特有の言語を使用している。その結果、聖書に描かれるバベルの神話のように治療学派間での混迷は深まり、クライエントと共有されるべき言語も忘れ去られている。本書はこうした現状を超えるために、心理療法の根底に流れる『基礎なる』有効要因を明らかにし、その実践方法を説いた刺激的な臨床実践書である。治療モデルの相違点ではなく、類似点に注目し、フロイト、ロジャース、エリクソン、バリントなどの古典的文献と、ランバート、オリンスキーらをはじめとする最新の臨床研究、そしてクライエントが回復していく過程とを重ね合わせることで、各セラピーに共通する本当の有効要因に迫る。それは、単なる統合アプローチでも、新奇なアプローチでもない、心理療法全域に普遍なものである。ここから導き出された実践方法は「クライエントはいつ治っているか」「セラピーはどう効いているか」「セラピストはいかにふるまえばいいのか」といった具体的な知識であり、流派の枠を越えた、クライエントに向き合う本来のセラピーを現実化するものである。内容(「MARC」データベースより)
心理療法の治療モデルの類似点に注目し、フロイトらの古典的文献及びランバートらの最新の臨床研究とクライエントの回復過程を重ね合わせ、各セラピーに共通する「基礎なる」有効要因を明らかにし、その実践方法を説く。
目次
第1章 バベルの塔にとりこまれて―今日の臨床理論と実践の現状―
第2章 バベルの塔からの抜け出すために―心理療法実践のための統一言語の構築―
第3章 心理療法において称えられることのないヒーロー達―クライエントと偶然の出来事の治療結果に対する貢献―
第4章 カール・ロジャースの肩の上で―治療結果に対する治療関係の貢献―
第5章 変化への希望―希望,期待,プラシーボが心理療法の結果に果たす役割―
第6章 「神さまからの贈り物」―あるケースの実例―
第7章 構造と新奇性―心理療法の結果におけるモデルとテクニックの役割―
第8章 人生を手に入れる―あるケースの実例―
わざわざ短期療法なんていわなくても、ほとんどのユーザーは短い期間しかセラピーを利用していない。むしろ、短期療法で回数を区切ることによって面接回数は多くなる、なんてパラドクスが書かれていて楽しい。
ソリューション・フォーカスト・アプローチのディ・シェイザーと、ナラティヴ・アプローチのマイケル・ホワイトが、論争の末、お互いのアプローチが全く性質の異なるものだという点だけは合意したというこの皮肉。
"Escape From Babel" (バベルからの脱出)という原題も、サブタイトルくらいには残しておいてほしかったな。
スコットくん、やるなあ。お薦めです。
- p.20 トーマス・ザッツ → トーマス・サース もはや臨床界のゲーテと命名しましょう。
- p.21 グロスクルス → (フィリス)・グロスカース メラニー・クラインの伝記を書いたカナダの伝記作家。
- p.25 デーウィス Dawes → ドーズ
心理療法・その基礎なるもの―混迷から抜け出すための有効要因 | |
スコット・D. ミラー マーク・A. ハブル バリー・L. ダンカン 金剛出版 2000-07 売り上げランキング : 265407 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 「治療不能」事例の心理療法―治療的現実に根ざした臨床の知 心理療法の統合を求めて―精神分析・行動療法・家族療法 ブリーフセラピーの登龍門 「現場からの治療論」という物語―古稀記念 システムズアプローチによる家族療法のすすめ方 |