よくわかるカウンセリング倫理/水野修次郎

 セラピスト倫理でよく言われる「多重関係」って言葉が嫌い。教員とカウンセラーはこの本によれば多重関係で「できるだけその状況を避けること」って書いてある。まあ搾取的な多重関係があるのは確かだと思う。また、論文指導とカウンセリングという濃い関係を両立させるのは、確かに難しい。けど、家族の状況を知りすぎると成績を正確に付けづらくなる?もしそうなら一般の指導教員も学生にプライベートなことを禁止する必要があるね。そういう責任を負わない姿勢が、客観的に見られないからといってロールシャッハテストをわざわざセラピー担当者と別のテスターにとらせるなんて変な習慣を広げてしまうんだと思う。
 実際、自分がカウンセリングしている学生に顔を合わせないように学内でびくびくしている教員兼任カウンセラーっているんだよね。病院と同じじゃない。入院している患者さんと、病棟で顔を合わせるのはあたりまえ。それをどう構造化し、差異化していくかがおもしろいところじゃないの。

よくわかるカウンセリング倫理
よくわかるカウンセリング倫理水野 修次郎

河出書房新社 2005-11
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