父フロイトとその時代/マルティン・フロイト

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 ジャン・マルタンシャルコーの名前をもらったフロイトの息子によって描かれたフロイトとその家族の肖像。フロイトの5人の妹のうち1人はアウシュヴィッツに送られる途中のユダヤ人ゲットーで飢え死にし、3人はアウシュヴィッツで亡くなっているということは知識としては知っていても、改めて親族から亡くなった人の人となりとともに語られると重みを増しますね。
 フロイト家の食卓に招かれたユングフェレンツィの印象も描かれています。マルティン少年の気持ちを引きつけるフェレンツィはらしいなぁという感じ。
 マルティン少年のヰタ・セクスアリス的エピソードも。母親や叔母の水着姿で生足を見たことがない彼らが、女の子の水着の着替えをのぞいたけれども絵画のような見事なヌードでなくてがっかりしたという記憶(隠蔽記憶?)、彼らが作った水着着替え用の覆いがなぜかご婦人達が最後の一枚を脱いだときに壊れてしまう(錯誤行為?)、後の映画女優ヘディー・ラマルを一糸まとわぬ姿で腕にかき抱いたこと(ただしラマルは当時2歳)などもおもしろかったです。

父フロイトとその時代
父フロイトとその時代マルティンフロイト 藤川 芳朗

白水社 2007-03
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