変わりゆく思春期の心理と病理―物語れない・生き方がわからない若者たち/鍋田恭孝

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 主に精神分析的な視点から今時の物語れない若者・子どもを解説。ラングスのタイプABCのコミュニケーション、分離個体化理論移行の自己に焦点をあてたマスターソン理論、フォーカシングなどを取り入れたのは従来ない切り口でしょうか。特に対象関係論とか言い出すと、家族とか社会とのつながりはどっかにいっちゃう場合が多いので、実際の臨床を考えればすごく実践的。
 ひとつけちをつけるなら固有名詞表記。「のび太」が「ノビタ」とエヴァ化してるのはまあ許すとしても(そのエヴァも「エバンゲリオン」)、「スネ夫」が「ツネオ」じゃナベツネみたいじゃないか。やっぱり「チビマル子」じゃなくて、「ちびまる子」であってほしい。キューポラのあるのは「街」であって「町」じゃない。まあどうでもいいといえばどうでもいい、だけどひょっとしたらクライアントの世界観をクライアントの言葉でとらえようという姿勢がちょっぴりたりないのかもしれない(まあ、そういう共有できないというところから始まる臨床姿勢もあるのだが)。しかし、これは世代差がもたらす必然でもある。鍋田先生より若い分、僕は優位なわけだけど、そんな優位もそのうち崩れてくわけで、そこをどう補うが個人のくふうのしどころかな。

変わりゆく思春期の心理と病理―物語れない・生き方がわからない若者たち
変わりゆく思春期の心理と病理―物語れない・生き方がわからない若者たち鍋田 恭孝

日本評論社 2007-03
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