精神分析の創始者、フロイトについてはもはやあらゆるパースペクティブから書かれ尽くしたという感もあるのですが、この本は「イタリア」という視点からフロイトを見直すというまだこんな視点があったかというちょっとした驚きを与えてくれる本です。
「日常生活の精神病理」に取り上げられているフロイト自身が画家の名前を思い出せないというエピソードは、実はフロイトのフリースへの父親転移の影響が大きかったのではないかなどといった視点が、著者の専門である美術史的観点も踏まえて描き出されています。
フロイトのイタリア―旅・芸術・精神分析 | |
岡田 温司 平凡社 2008-07 売り上げランキング : 153179 Amazonで詳しく見るby G-Tools 関連商品 イタリア現代思想への招待 (講談社選書メチエ) (講談社選書メチエ (416)) 肖像のエニグマ―新たなイメージ論に向けて 影の歴史 ヨーロッパ人相学―顔が語る西洋文化史 処女懐胎―描かれた「奇跡」と「聖家族」 (中公新書 1879) |