精神分析を扱った小説というと何を思い浮かべるでしょう?三島由紀夫の「音楽」?、森村誠一の「精神分析殺人事件」?、それとも水上呂理の「精神分析」?
本書はフランスの作家、マリ・カルディナルによる自伝的な小説です。あらすじは精神科医の斎藤学氏が有害な母子関係という視点からすでにまとめておられるので、そちらをご参照ください。(斎藤氏は週4回の分析と書いてますけど、物語の中では週3回です。)
斎藤学メッセージ(マリの物語)
不正出血をくり返していた主人公の女性は、精神分析の力を借りて父親からおしっこしているところを写真に撮られるという幼い頃の外傷体験を想起。身体症状を克服し、疎遠だった夫との仲も修復して作家として花開いていくのですが、描かれている分析家は何ともいやーな感じで描かれてます。
他院から出されている向精神薬を飲むなと指示し、週3回の高額な分析が必要と言いつつ、お金がないという主人公に働いて稼いでくるように言い、主人公の身体症状には興味がないと言い放ち、「筒から何を連想しますか?」と連想を強要・・・。
あーそういえばバブルの頃だっけ、北山修先生がお金がなければバイトで稼いで精神分析受けたってよいと書いてたな・・・と思わず連想してしまいました。社会の階層化が進めば、また精神分析にもチャンスが回ってきたりしてね。
血と言葉―被精神分析者の手記 | |
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精神分析はタイトルだけだったような気がします・・・
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水上呂理の「精神分析」が載ってます。「麻痺性痴呆患者の犯罪工作」の方が印象に残ってるな・・・。そういえば怪奇大作戦の「狂鬼人間」と似たような話だね・・・。
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