日本人の/北山修
北山先生がずっとテーマにしている「自虐的な世話役」「見るなの禁止」論と国学者とのコラボ本。
「見るなの禁止」につていはなるほどなー、と思う反面、なにかすーっと入らない部分もある。
まだあんまり言葉にならないんだけど、原罪ってよりはやっぱり男の自己愛の問題なのではないかと思うのかな。女性に対して「女」を求めつつ、ゲットすれば母親扱いして自分は子どものまま。
異類婚姻譚といっても女性の異類は「見るなの禁止」で、去っていくわけだけど、男性の異類は「猿婿入り」の話みたいに、利用されて結局殺されちゃうわけで、そういう非対称の問題をあんまり扱わないのが、何となく男性の側の自己愛の問題というか、ロマンチシズム的な女性観の問題がいまひとつワークスルーされきっていないというか。
日本の精神分析の世界が、他のどの国と比べても男性中心的で、女性セラピストがことごとくメラニー・クラインタイプじゃなくてアナ・フロイトタイプなのとかと結びつけて論じたら面白いのにな。
日本人の〈原罪〉 (講談社現代新書) | |
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