精神障害者の犯罪に関する基本的なテキスト。著者のスタンスは精神医療に関する誤解を解き、まっとうな精神科医の立場を正しさを主張しようというもの。ただ、ちょっと論証が雑という印象。例えば記憶回復療法なんかはサイコロジストによる間違ったアプローチだみたいに書いている。行きすぎた記憶回復療法が間違ったアプローチというのはやぶさかじゃないけど、ちょっとぐぐってみれば記憶回復療法で訴えられている精神科医なんかいくらでもいるみたいですけど・・・
Law & Psychiatry: Third-Party Suits Against Therapists in Recovered-Memory Cases -- Appelbaum 52 (1): 27 -- Psychiatr Serv
精神科医には誰でもわかるような仮名使うのはあいかわらず・・・
この本から得た知識は・・・
ライシャワー事件で精神障害の少年に刺されたアメリカ大使のライシャワー氏はその時の輸血が元で肝炎に罹患。
長崎医専の教授であり、留学中に統合失調症となって殺人を犯した石田昇が研修していたのは道徳療法のドロシア・ディックスの影響を受けてつくられたシェパード・イノック・アンド・プラット病院。後にここは精神科医のサリヴァンも勤務。この本では「シェパード・イノック・ブラット」と誤表記されている。
精神障害者をどう裁くか (光文社新書) | |
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