犯罪
NHKのドキュメンタリ「クローズアップ現代」の番組取材の書籍化。少年犯罪の両親の責任を状況によっては考慮する必要があるにせよ、殺人犯の親戚まで仕事が続けられなくなるような社会はやはりおかしい。インターネットでもソースも真偽のわからない個人…
ヤクザの父親と妻、そして二人の息子が強盗目的(?)で引き起こしたあまりにも場当たり的な大牟田四人連続殺人。一家の次男の犯罪についての手記とジャーナリストからの補足。我が一家全員死刑鈴木智彦 コアマガジン 2010-11-06売り上げランキング : 86259A…
足立区の女子高生コンクリート詰め殺人事件の犯人であるという全く根拠のないデマ記述によってネットでの中傷を繰り返された芸人の体験記。しかし、2ちゃんねるの記述をそのまま信じ込むなんて・・・恐ろしいですね。検察のインターネットに関する無知ぶり…
統合失調症を発症し、日本人男性と結婚した朝鮮系中国人女性が自分の子どもと同じ幼稚園の園児二人を送迎中に殺害した事件。 本書を読むと適切な治療環境さえあればこんな事件は起こらなかったということがよくわかる。統合失調症を発症していたのに、調子の…
ぴゅん氏の勧めで数年ぶりに日本のTVドラマを見通した。「それでも、生きてゆく」。 あれをちょっと思い出した。TVで報道されて、ぼくらはそれを見ては忘れているだけだけど、その後にも被害者遺族の人生は続いていく。アフター・ザ・クライム 犯罪被害…
『八ツ墓村』のモデルにもなった昭和十三年に起きた津山三十人殺し。その詳細は島田荘司の『龍臥亭事件』を読んでいたので知っていたんだけれど、犯人の都井睦雄と祖母の間に血縁がなかったということは、多分初めて知った。 しかし、著者がその事実を知った…
大学でやっている講義でよく物事の起源を問う質問を学生にしている。ネット社会は情報社会でいろいろな時代の情報が横並びになっているので、歴史の流れというものが見えにくいというせいもある。 ロックがブルースから派生した、なんてことを知っている学生…
原題は "Preventing Violence(暴力防止)" というニュートラルなタイトルで中身もタイトルそのままなのに、ジェンダー論的タイトルに変えられているのは、著者のパートナーが『もうひとつの声』の著者であるキャロル・ギリガンということもあるのだろうか。 …
んー、何だろうこの違和感は。筆者は凶悪犯罪の加害者に積極的に対話を試みているTVなどでも有名な長谷川先生。 修論書いている院生に宮崎勤との文通を仲介するとか、ちょっとついていけないかなと思ったんだけど、まあ修士でも非常に優秀な人もいるかもしれ…
佐世保の小六女児同級生殺害事件、静岡タリウム少女母親毒殺未遂事件、奈良エリート少年自宅放火殺人事件などの少年犯罪と発達障害の関連。大人たちはなぜ、子どもの殺意に気づかなかったか?草薙 厚子 イースト・プレス 2010-10-29売り上げランキング : 3560…
まあ「滅びゆく精神鑑定医」は大げさかもしれないけれど、簡易鑑定の結果がたった1行「精神分析的見地から完全責任能力と判断される」なんていうのが本当にあるというのを読むと、本当に滅んじゃうのではないかと心配になる。 法的解釈にも踏み込みながら、…
性犯罪被害者である著者の「性犯罪被害にあうこと」に続く著作。前作を書いてからの他の性犯罪被害者との交流。実父からの性的虐待にあう子どもとの交流、裁判員裁判のインパクト、性犯罪加害者とのスタンスなど。性犯罪被害とたたかうということ小林美佳 朝…
サブタイトルから見ると広そうな感じですが、19世紀以降のフランス+永山則夫という感じでした。哲学者アルチュセールの妻殺しも。犯罪者の自伝を読む ピエール・リヴィエールから永山則夫まで (平凡社新書)小倉 孝誠 平凡社 2010-09-16売り上げランキング :…
著者の専門は国際比較医事刑法、少年法、犯罪学。現行法では心神喪失や心神耗弱にあたらないとされるパーソナリティ障害をもった犯罪者への処遇についての考察。ドイツでは触法精神障害者に対して、通常の刑事罰に加えて医療措置も判決として下されるとのこ…
ストーカー・DVの問題Q&A―弁護士に聞きたい! (暮らしの法律問題シリーズ)馬場澤田法律事務所 中央経済社 2010-06売り上げランキング : 115834Amazonで詳しく見るby G-Tools
オウム真理教の教祖、松本智津夫死刑囚の四女による閉塞された教団内での生活から、家出を経て教団と距離を置くようになった現在までの過酷な生の記録。 知り合いが入信しているし、地下鉄サリン事件の直前まで霞ヶ関付近の病院に勤めていたので、オウム問題…
アルコール依存症、統合失調症、拒食症、アスペルガー障害、器質性精神病、うつ病、強迫性障害などの事例。 岩波先生、秋好英明事件でミステリ作家の島田荘司に協力してるんだね。 あいかわらず事例は重症例が多く、暗澹とした気持ちになる。心に狂いが生じ…
エリザベス・ロフタス。ユダヤ人。記憶に関するエクスパート。学部で学習心理学の講義で使用された教科書を書いていたのが今にして思えばロフタスと彼女の夫が書いたものだった。その時にはまさかその教科書の著者がこれほどセンセーショナルに注目されるこ…
現在の精神鑑定制度の問題点を説得力を持って提示。精神科医には犯行時の責任能力の有無を判断することなどできない。責任能力判断から情状酌量へとの現実的な提案。精神鑑定の乱用金剛出版 2010-01-16売り上げランキング : 134215Amazonで詳しく見るby G-To…
光市の母子殺人事件の加害者元少年へのインタビューを中心した取材をまとめたもの。 「増田さんって人間が怖い」というのは取材された加害者の父親がいっている言葉なんだけど、これはちょっと同感するところがあった。 同じような少年犯罪暴露ものでも草薙…
精神科医の高岡先生による少年犯罪をテーマにした弁護士へのインタビュー集。少年事件 心は裁判でどう扱われるか―弁護士と児童精神科医の対話―高岡 健 明石書店 2010-01-08売り上げランキング : 248155Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 発達障害は少年…
昔に読んだことあったけど、ヒッピーロックバンドのファッグスの人という認識なく、というかファッグスを知る前に読んでいました。そう思ったら読み直してみたいな。ファミリー―シャロン・テート殺人事件 (1974年)エド・サンダース 草思社 1974売り上げラン…
犯罪被害者支援の包括的ガイドブック。改めて読んでみると法律ってどんどん変わっていくしちゃんと勉強しとかないとダメと言うことを実感したね。検察審査会法って改正されて、この5月から「起訴相当」の議決が二度なされたら必ず起訴されるようになるんだっ…
性的問題行動(他児・きょうだいへの強制猥褻など)を行った子どもをもつ親へのガイダンス本。本人向けの「ロードマップ」「パスウェイズ」と三冊セットになってます。 子どもが性犯罪を行ったときの家族が受ける衝撃の大きさは、家族、加害者、きょうだいの手…
筆者は精神科医だが、自分自身がうつ病となった妻の自死を経験している。本書は自死・犯罪・災害遺族の修復的な語り直しをテーマにしたものだが、この本の執筆自体が著者の妻の死に対する修復的語り直しであるというところが、文章に臨場感と緊張感を与えて…
犯罪に関わるような問題を抱えた家族に対して24時間対応のアウトリーチ型(クライアントの自宅や学校などに赴いたり)の統合型セラピーパッケージ。著者たちはマルチシステミックセラピーInc って会社を立ち上げ、自治体などにパッケージ化して売り出し、結構…
asahi.com(朝日新聞社):少年への特別暴行陵虐容疑 広島少年院元首席専門官逮捕 - 社会 逮捕された向井義氏はこのブログでも取り上げた書籍「心からのごめんなさいへ/品川裕香」で、触法少年への軽度発達障害的なアプローチを取り上げられていた方ですね…
少年非行―保護観察官の処遇現場から (サイコ・クリティーク 9)/羽間京子 少年非行―保護観察官の処遇現場から (サイコ・クリティーク)羽間 京子 批評社 2009-07売り上げランキング : 134485Amazonで詳しく見るby G-Tools関連商品 子どもの自分くずしと自分つ…
大麻ヒステリー/武田邦彦 アメリカで禁酒法廃止の人員を振り向けるための大麻違法化キャンペーンが行われ、大麻を吸って凶暴になるという現実的でないイメージが流布されたとか、日本の畑で堂々と栽培されている大麻とか、いわゆるもっとハードな麻薬の使用…
予想に違わずひどい本でした。著者は精神科医でフランスでラカン派の分析を学び、現在は犯罪心理学を専門にする大学教授。ジャーナリストが書いたのならともかく、精神科医がベッドにナイフを突き刺したのは性交の象徴とか通俗分析書いてるのを読まされるの…